アフターコロナで大盛況!IVS2023 KYOTOの模様をLaunchPad結果と共にお届け

連日雨ながら約1万人が京都へ集合

メイン会場となった「みやこめっせ」。 三条から徒歩10~15分

梅雨時期ということもあり、連日かなりの湿気と局所的雷雨に見舞われた6月最終週であったが、会場はかなりの人。特に初日には、一般参加者の受付待ちで遊園地並みの長蛇の列が見られた。今回は約1万人が参加したとのことで、IVSとしても過去最大規模となっている。

受付を通過するとフォトブースとして使える長いクリエイティブがある

会場は地下1階、1階、3階に分かれる。地下1階ではセッションと投資家マッチング、1階は飲食とセッション、3階はCryptoゾーンとなった。写真の通り、どのフロアもとにかく人であふれ、どの場所でも「久しぶり」「来てたんだ」とさながら成人式、同窓会の様相。筆者も、会場では久々に再会した人たちがいたが、皆、「コロナで会っていなかった人にも会えて驚いている」「ここまで賑わいのあるイベントは久しぶり」という感想を持っていた。

都市、企業、エコシステムプレイヤーと多くの組織が賛同して成立したイベントだけあって、とにかくコンテンツが多い。みやこめっせは三条駅から徒歩15分程度ということもあり、周辺に1万人を収容できる飲食店があるわけではなく(向かいの施設に入っているスターバックスは常に満席であった)、今回はみやこめっせ内に屋台が設けられた。このラインナップも、運営が目利きをして選び抜いた店ばかりというだけあって、ラーメン、バーガー、ジビエからクラフトビールまで、室内開催の夏祭りのようになっており、皆イベント以外も楽しんでいた。

立ち並ぶ屋台。周辺では常に参加者が食事と雑談を楽しんでいた
海外からの参加も多い中、地場、そして日本を意識した飲食店が目立つ
飲食店の知覚には京都らしさを醸し出すベンチコーナーがあり、各自仕事や食事、休憩をする姿が見られた

超満員が続くセッション

3階ではエリアがシームレスに続き、セッションが行われていた

セッションは同時並行で最大約20と、数もかなりのものであったが、どのセッションも超満員が続き、人気コンテンツに至っては座ることはおろか、ステージまでが遠く、コンテンツが聞こえないほどだった。

実際のスケジュールはこちら

Web3 / Cryptoを意識した3階

今回は沖縄に続き、サブテーマが「Crypto」であることも踏まえ、Web3 / Cryptoに関するコンテンツが多く見られた。特に会場の3階はNFTやGameなどWeb3に関する出展やセッションが中心となり、近未来的な雰囲気が漂っていて、さながらゲームショウのようだった。

60を超えるサイドイベント

各日セッションが終わった後も、IVSの熱狂は続く。
京都府の主催のほか、IVSパートナーが開催するものも含めると、朝会、夜会、ハッカソン、座禅会、BBQなど、60を超えるサイドイベント(※)が行われた。(筆者もサイドイベントの一つで登壇させていただいた)

筆者は2~3個のサイドイベントへの参加しか叶わなかったが、会場で会った友人たちは「この後サイドイベントだから」と夜の街へ消えていく者がほとんどで、この3日間をいかに楽しみきるかに全力で挑んでいるように感じた。

IVS2023 / IVS Crypto 2023 KYOTO Official Side Event List

サイドイベントの中でも最大規模となったのは、ゲーム特化型ブロックチェーンOasysによる「Oasys Special Event」。ゲーム会社各社による新作ゲームの発表のほか、チームラボによるアート展示、DJブースの用意などが行われた。サイドイベントの中で、公式アフターパーティと並んで、やはり周囲でも参加している人が多かったように思う。

Credit:プレスリリース
チームラボによるライトアートの展示

入場制限がかかるほど盛況だったLAUNCHPAD

IVS、ならびにスタートアップの登竜門といえば「LAUNCHPAD」と言われるほど名物コンテンツとなったこのスタートアップピッチ。あまりの人出に入場制限がかかり、当日は会場となるロームシアターに列ができた。メイン会場となるみやこメッセではライブビューイングが行われたほか、メディア向けにはYouTubeでのライブ配信リンクも配られた。

LAUNCHPADの初開催は2007年で、今回で17年目を迎える。過去の通算エントリー社数は5,000以上。過去登壇企業の60社がIPO / M&AなどのEXITを迎えているという。今回は海外からも人気の高い京都での開催ということもあり、「スタートアップ京都国際賞」が創設され、最大1,000万円の補助金が与えられた。

決勝登壇は以下の14社。(こちらのリリースを参照)

審査員も錚々たるメンバーが参加した。

Credit:同社プレスリリース

実際の受賞者については以下となった。

5位は、EC特化ノーコードツール「TēPs」のテープス株式会社。代表の田渕 健悟氏は「大好きなプロダクトで、現場の方々にも有意義に使ってもらっている。多くの方に知っていただき感謝」とコメント。

5位となったテープス株式会社の田中氏

4位は規程・監査・認証等の文系業務セキュリティDX「SecureNavi」のSecureNavi株式会社。代表の井崎 友博氏は「一言だけ。セキュリティ規制をみんなで乗り越えましょう。セキュリティ規制といえばSecurityNavi。よろしくお願いします」とコメントした。

4位となったSecureNavi株式会社の井崎氏

3位には、電話・商談のAI解析とSFA自動入力「JamRoll」の株式会社Poetics。代表の山崎 はずむ氏は「選んでいただいて嬉しい一方、悔しい思いも。とはいえ、まずは知っていただけることがありがたい。無償のトライアルもあるのでご連絡いただければ」とコメントした。

3位となった株式会社Poeticsの山崎氏

2位は債権回収自動化「Lectoプラットフォーム」のLecto株式会社。審査員からも口々に社名が挙がっていた。代表の小山 裕氏は「2位は嬉しいやら。督促は一般的なイメージがあまりよくないと思われるが、それを改善していきたい。評価いただけたので世の中を良くするためさらに頑張っていきたい」とコメント。

2位となったLecto株式会社の小山氏

1位の京都国際賞ならびにオーディエンス賞のW受賞となった「Helppad2」のaba

受賞パネルと共に微笑む株式会社abaの宇井氏

審査員からも次々に推薦する声が上がった「Helppad2」の株式会社abaが、オーディエンス賞と京都国際賞のW受賞となった。

京都府の西脇知事からも、パネルとトロフィーの贈呈に加え「おめでとうございます。400社以上の応募者にも感謝。京都はものづくりの都市でもあり、近しい事業が受賞されたのも嬉しい。ここでのネットワークを活用し大きく成長いただければ。この超高齢化社会の課題解決にもつなげていただけたら」とコメント。

本日一番乗りでやってきたという代表の宇井 吉美氏。「もし優勝できたらIVSの皆さんに協力してもらいたいということがあって。プレゼンの冒頭に申し上げた、おむつを開けずに中を見たいと言ってくれた介護士さんがどこにいらっしゃるかわからないんです。その方に、おむつを開けずに中が見られるようになったことを知って欲しい。なので、私のSNSや今日のニュースをシェアしてもらえると嬉しい」とコメントした。

同社の受賞についてのプレスリリースも出ているのでぜひご参照いただきたい。宇井氏のTwitterはこちら

行政が一体となってスタートアップ盛り上げを支援

今回のIVS京都開催にあたっては、主催となるHeadline Japanが、京都府をはじめとする地域の行政機関・産業支援機関とともにIVS KYOTO実行委員会を設立している。

Credit:同社プレスリリース

今回、京都は、メイン会場での「KYOTO STAGE&AREA」の設置、LAUNCHPADでの「スタートアップ京都国際賞」の創設、京都の研究者等による事業や研究シーズの発表など、協力や情報発信を意欲的に実施。

DAY3には、各地公体からキープレイヤーを呼んだセッション「自治体トップが語る!スタートアップと行政が共に描く未来」も行われた。行政による一体支援の重要さについて、東京都の宮坂副知事、渋谷区長の長谷部氏もコメントを寄せた。

LAUNCHPAD内でも岸田総理や経済産業大臣の西村氏からのメッセージが贈られ、スタートアップ5か年計画骨太の方針について触れられた。

スタートアップを経済のキープレイヤーとして説明した岸田総理

引き続きスタートアップ注目のイベント

いかにも京都らしい雰囲気だった京都府のブース

今後も定期開催されるであろうIVS。次はどこの会場で、どんなセッションがあるだろうか。仲間たちとの久々の再会をここで行える日を楽しみに、また各社、自社の経営に戻るのであろう。
IVSの続報に期待したい。

Eriko Nonaka
JP Startups副編集長/N.FIELD代表 三菱UFJ銀行、SoftBankを経て2019年より一般社団法人Fintech協会事務局長。2020年より合同会社N.FIELD代表。TechCrunchJapanライターを経て2022年よりJPStartups副編集長。 多方面の事業に明るく、イベント登壇・執筆、スタートアップ支援、業界団体運営を通したパブリック・アフェアーズなどにより、自律分散型社会の設計を目指す。