2023年7月20日から2023年7月27日に発表されたスタートアップニュース、資金調達情報のうちJP Startups(ジャパスタ)が注目する案件をピックアップしてお届けいたします。

資金調達の発表が少なめだった今週。腸内フローラやデジタルヘルスなど、医療・ヘルスケア分野における画期的なスタートアップの資金調達が目立った印象で、今回はその中でも特に訪問看護・介護のDX推進を目指すCareMakerを取り上げる。同社は資金調達と合わせて、訪問看護・介護事業者向けに提供中のスケジュール管理SaaS「CareMaker」を大幅に機能アップデートすると発表。これにより同サービスは厚生労働省の目指す「地域包括ケアシステム」の実現に大きく貢献可能なものへと進化を遂げることが予想され、今後の展開に期待がかかる。
また、SaaSサービスを提供する2社もピックアップ。代理店営業の強化につながるSaaSを開発したdeexとLegal Tech(リーガルテック)で各種SaaSを展開するGVA TECHを取り上げ、資金調達の内容やサービスについて紹介する。
スタートアップニュースについては、Beyond Next Venturesの Deep Tech(ディープテック)創業支援イベントやVCでの大学生長期インターン募集イベントなど、四つの情報をお届け。詳細は本稿内で詳しく記載する。

東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学などの上位校に在籍し、長期留学や長期インターン、起業などの実践的な活動を経験したことのある学生を母集団として保有するスカウト型新卒採用プラットフォーム「エシカル就活」。同サービスを運営する株式会社アレスグッドは、新卒採用において優秀なZ世代とVCをマッチングする機会を創出すべく、8月8日に渋谷のAbema Towersで「Venture Capital Internship Summit」を開催するとを発表した。
同社によれば、優秀な学生の就職活動においてVCの人気が高まっているといい、現在は限られた学生にしかVCの存在が知られていない状況があることから、学生とVCの新たな出会いを生み出し、インパクト創出を実現すべく今回のイベントを企画したという。イベント概要は下記の通り。元リリースはこちら。

日欧のテクノロジー・スタートアップイベント「TechBIZKON VII Digitalizing the World – Microelectronics for DX」が、2023年12月12日(火)にSHIBUYA QWSで開催されることが決定した。同イベントでは現在、スタートアップや企業、団体などの参加希望者を募集中。
TechBIZKONは、参加国のスタートアップエコシステム間における長期的な技術・ビジネス交流を促進することを目的に2017年より毎年開催されているイベント。オーストリアとドイツ、イタリア、ベルギー・フランダース、日本からスタートアップや大手企業、VC、アクセラレーターなどが参加し、投資や協業の検討、ネットワーク構築、海外進出の機会創出などを行う場となっている。
今年で第7回目となる同イベントは、「Digitalizing the World – Microelectronics for DX」をテーマに掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支えるマイクロエレクトロニクス・半導体技術に焦点をあてる。イベント内ではパネルディスカッションが行われ、DXを支えるマイクロエレクトロニクス・半導体技術の現状や課題、各国のスタートアップエコシステムの紹介が行われる予定。また、スタートアップの展示コーナーやB2Bミーティングの機会も設けられ、メインのピッチイベント後にはネットワーキング・レセプションも開催される。
さらに、スタートアップによるピッチコンテストも行われる。優れたピッチを行ったスタートアップには、ヨーロッパ各国でのアクセラレーションプログラムへの参加や国際展示会・見本市での無償出展などが贈られる予定。ピッチコンテストの参加スタートアップについても現在募集中で、申し込みは在日ドイツ商工会議所の専用フォームより受け付けている。元リリースはこちら。

独立系VCのBeyond Next Ventures株式会社が運営するディープテック創業実践プログラム「INNOVATION LEADERS PROGRAM」が、14期の参加者募集をスタートした。エントリーの受付は9月1日(金)まで。
同プログラムでは、起業家・経営者を目指すビジネスパーソンを対象に参加を募り、先端技術の事業化を目指す国内有数の研究者とマッチング。チーム組成を行い、約2ヶ月間でスタートアップの創業に挑戦する。週末など仕事外の時間での参加が認められており、現在の仕事を継続しながら、将来有望なスタートアップの創出に関わることができる。同プログラムはこれまでに累計で400名以上のビジネスパーソンが参加し、40名以上の経営者を輩出してきた。その実績が認められ、2021年には内閣府の「日本オープンイノベーション大賞」も受賞している。
14期では、医療・ヘルスケア、アグリ・フード、クライメートテック、宇宙・デジタル、エネルギーを中心に各領域で事業創造を目指していくという。募集概要は以下の通り。
また、14期の開催に先立ち、特別イベントが8月9日(水)に開催される。現在注目を集めるディープテックの経営者3名が登壇し、ディープテック経営者のキャリアなどをパネルディスカッションで紐解いていく。ベント詳細はこちら。元リリースはこちら。

国連開発計画(UNDP)と国際的に金融事業を展開するシティグループの慈善基金であるシティ・ファウンデーションは、5年目の開催となる「Youth Co:Lab(ユース・コーラボ)ソーシャル・イノベーション・チャレンジ」を日本で11月21日(火)に開催すると発表した。
Youth Co:Labは、若者のエンパワーメントとSDGsの達成を目的として、UNDPとシティ・ファウンデーションが共同で開始した社会起業家支援活動だ。その一環として行われている「Youth Co:Lab(ユース・コーラボ)ソーシャル・イノベーション・チャレンジ」は、若者によるソーシャルイノベーションと社会起業を支援することを目的に開催。高校生から35歳未満の人材を対象に、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に焦点を当てたビジネスモデルやアイデアを広く募集している。特に今年のイベントはSDGs達成の目標年である2030年を見据え、残り7年という限られた時間で変革を起こさなければならない危機感から「若者が切り拓くイノベーション~加速と育成〜」をテーマに掲げる。若者の視点を活かし、イノベーションの加速と人材育成の促進を目指すといい、今年は最優秀賞や観客賞などに加えて「若者ビジョン」賞も創設する。
日本大会での受賞者は、全員がアクセラレータープログラム「スプリングボード・プログラム」に参加することができ、シティ社員による個別のメンターセッションも受けることが可能。特に前者のプログラムで上位に入ったチームは2024年夏に開催予定のYouth Co:Labアジア太平洋サミットに参加し、事業を紹介する機会を得ることができる。応募要項やスケジュールなどの詳細はこちら。元リリースはこちら。

営業代理店やアライアンスの活用支援・戦略構築に関するコンサルティング事業を行うdeex株式会社は、代理店連携の強化を支援するSaaS「CoPASS(コーパス)」のリリースに向け、Gazelle Capital株式会社と株式会社ANOBAKA、金融機関から総額およそ6,500万円の資金調達を実施したと発表した。
同社は営業代理店を活用した事業推進に関するコンサルティングを行う中で、多くの企業に共通の課題があることに着目。その解決を目指して、自社と提携する営業代理店の情報を一元管理し、実績・報酬・共有資料の管理、失注要因分析やアクティブ率向上分析などのデータ分析機能まで兼ね備えた新サービス「CoPASS」を開発した。代理店との連携を行うメーカーやベンダーにとっては、自社にふさわしいパートナー企業を見つけるきっかけとなり、営業代理店とのコミュニケーション効率化や効果分析などの業務効率化を実現することにもつながる。「CoPASS」はβ版を7月1日にリリース。本リリースは12月を予定している。
今回の資金調達を通じて、同社は創業当初から掲げていた「パートナービジネスを再定義し、日本企業の底上げの実現を目指す」という目標の達成に向けて事業を推進していくという。元リリースはこちら。

訪問看護・介護向けスケジュール管理クラウド「CareMaker」を開発・提供する株式会社CareMakerが、第三者割当増資と融資により、プレシリーズAで総額1.2億円の資金調達を実施した。第三者割当増資の引受先は、XTech Ventures、サイバーエージェント・キャピタル、East Ventures。融資元は日本政策金融公庫など。
同社は今回調達した資金で、訪問看護・介護の現場における課題解決と業務効率化に貢献可能なプロダクトの開発、開発体制の強化、人材採用を行うという。
訪問看護・介護業界では、厚生労働省が2025年をめどに「地域包括ケアシステム」の構築を打ち出している。地域包括ケアシステムとは、高齢者や介護が必要な人が住み慣れた地域で医療や介護、生活支援などを一体的に受けることができる仕組みのこと。誰もが人生の終わりの瞬間まで自分らしい暮らしを続けられる社会の実現が目指されている。
しかし、地域包括ケアシステムの実現は簡単ではない。利用者にサービスを提供する異なる事業者間で適切な情報共有を行う必要があるほか、スムーズな連携を図ることが重要だが、従来の仕組みやシステムの中では、情報管理や連携に関してさまざまな課題と非効率が発生していた。
CareMakerはそのような状況を鑑み、もともと提供していた訪問看護・介護のスケジュールを自動作成可能なSaaS「CareMaker」の機能を大幅にアップデート。各事業所の活動履歴や顧客管理など、情報を同システム内で一元管理できるようにしたことで、多職種連携や地域の医療・介護サービスなどを提供する関係機関との連携をスムーズに行えるよう、訪問看護・介護に必要なオールインワンサービスとして提供していくという。同社は今回のサービスアップデートにより、人手不足が深刻化する福祉・介護業界でより多くの利用者にサービス提供が可能な状態を生み出すことを目指していく考え。元リリースはこちら。

法務管理クラウド「GVA manage」などのリーガルテックサービスを開発・運営するGVA TECH株式会社。同社はシリーズBでDBJキャピタル株式会社、株式会社シグマクシス・インベストメント、ハヤテグループの運営するCVCファンド、三光産業株式会社、株式会社KACHIEL、複数の個人投資家などから第三者割当増資を実施し、約8億円の資金調達を完了した。今回の調達により、同社の資金調達額は総額およそ20億円に達する見込み。
GVA TECHは、弁護士として法律事務所を運営する山本俊氏が2017年1月に創業したリーガルテックスタートアップ。法務管理クラウド「GVA manage」、AI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」、オンライン商業登記支援サービス「GVA 法人登記」などを開発・提供し、スタートアップや中小企業、上場企業、法律事務所が行う法務に関連する業務効率化とDXを支援している。
今回、同社は「GVA」シリーズのさらなる普及や事業体制強化のために資金調達を実施。今回獲得した資金は、「GVA」シリーズの利便性をさらに高めるためのプロダクトのアップデートやマーケティング活動、人材採用などに活用するという。元リリースはこちら。